1.からだの冷えとは?冷えが体に及ぼす影響について
冷え性対策。冷えがからだに及ぼす影響とは?冷えと酵素の働き、様々な原因となる冷えについて詳しく解説。冷え取り法・冷え解消法、足湯、入浴法を紹介。
人は食物などから栄養素を取り込み吸収しています。
しかしその栄養素は直接いろいろな臓器に吸収されているのでなくて、血液によって各臓器まで運ばれています。
そして、人は知らず知らずのうちに、体にとって有害な物質を取り込んでしまっていたり、不要になった老廃物も絶えず体内に産生されています。
これらは速やかに体外に排出しなくてはなりません。そのおおきな役目が血液の循環です。
血液の流れが滞ると有害物質は体の中に停滞し、栄養も行き渡らないので病気になりやすくなってしまいます。
例えば、コリなども血の巡りが悪く、老廃物が溜まっているからと言われますね。
それが、毎日毎日、何年、何十年と積み重なると、コリだけでは済まされない状態になります。
そして、全身に老廃物がたまり、栄養が行き渡らなくなると、免疫力が低下し、自然治癒力の働きが悪くなり、今までなら治っていたものが治らなくなります。
自然治癒力が弱まり、血液がうまく流れないという原因の大きな理由に冷えがあります。
昔から「冷えは万病の元」と言われていますが、まさしくそうだったんです。
最近では、現代人の低体温化傾向が叫ばれ、体を冷やす生活が日常化しています。
体を冷やす食べ物や飲み物の取りすぎ ・冷房の普及 ・シャワーだけで済ます入浴 ・運動不足 ・ストレスによる血行不良 ・薬(化学薬品)の飲み過ぎなど、体を冷やす原因は毎日の生活習慣の中に潜んでいます。
それだけではなく、生命活動を続ける為に必要不可欠な3000種類以上もあると言われている体内の「酵素」、これは体温が36.5度付近でもっとも活性化されます。
ですから、体の冷えによって低体温に陥っている人などは「酵素」の働きも鈍り、健康体からますます遠ざかってしまいます。
※「酵素」は、体の中のほとんどすべての生体活動において細胞間の橋渡しをしていて大変重要なものです。
脳の指令で腕を動かすという単純な行為ひとつでも、ある種の酵素が神経と筋肉の間で活躍しています。
東洋医学では冷えを万病の元とし、様々な症状の原因ととらえ重要視。
東洋医学では、体を維持する働きに「気」・「血」・「水」の要素があると考えます。この流れが皆スムーズであることが健康な状態ととらえています。
人の体には常に宇宙、自然界から「気」が流れ込んで、その力のもとに生命活動が営われていて、このエネルギーを取り込めないことで、体に不必要な老廃物が排出されなくなると、
- 「気」の流れが滞って様々な障害が起こると考えられています。これが病気(気の病)です。
- 「血」とは、血液の成分や働き、老廃物を運び去る働きも加えた広い意味があります。
- 「水」とは、関節内、組織内、胸腔内や腹腔内などにあり、血と同様老廃物を運び去る働きや関節、胸腔、腹腔では関節を滑らかにする潤滑油のような働きをしています。
この流れが滞ることにより冷えが引き起こされ、水毒と呼ばれています。
「気」: 食べ物、水、空気などから取り入れたり、さらに、心に働きかける何かである「気」はこころと体のエネルギーで、「血」や「水」の流れを促す中心的な役割りを持っています。
「水」: ここの流れが滞るとからだが冷える。
特に、臓器で言うと、「気」のエネルギーの源とされる「腎」は冷えとのかかわりが深い臓器で「気」・「血」・「水」の要となります。
冷えは足元から次第にお腹⇒生殖器⇒肺へと、その障害があがってきます。
からだは場所によって体温が違います。
わきの下は36.5度あったとすると、脳、腎臓、肝臓、消火器では38度。からだでいちばん低いのは足先で、冬場は31度まで下がると言われています。
血液は腹部の大静脈を通って心臓まで戻ってきますが、足先で冷たくなった血液は心臓に戻る時腹部を冷やします。
さらに、大静脈の血液の流れは重力に影響されやすいので、冷たい血液は腹部でうっ血しやすくなります。
だから足先を冷やすと言うことは、内臓全体を冷やしてしまうのです。
ここで有名な話を一つ・・・
17~18世紀にかけて活躍しあらゆる植物に精通し、近代臨床医学の創始者、オランダの名医ヘルマン・ブ-ルハーフェは、不思議な遺作を残して亡くなりました。
「医学最大の秘密」と題された書物は、厳重に封印され1万グルテンの高値で競り落とされ、買い手がおそるおそるその封印を切って開くと、最初のページのみ一言書かれているだけで、後は白紙。
その最初の一言とは
・・・・ 頭部を冷やし、足を温め、からだを楽にせよ。これで全ての医者は不要になる。 ・・・・
人間の最良の妙薬は、頭寒足熱につきるとの遺言だったのです。
※図のように、あらゆる病気がしのびよってきます。